「りんご……怒ってる？」

俺は、ひょいっと身をすくめるようにして、りんごの顏を覗き込む。

「……怒ってる」

キッ、と眉をつり上げて答えるりんご。

でも、すぐに悲しそうに目を伏せて。

「だけど……、
　もっと、ずっと……、
　寂しかったンだよ」

「りんご……」

「怖かった……
ウミト君みたいな人に、 私なんていらないンじゃないか、とか……、
ウミト君が、
……怖くて」

「……！」