りんごの体を抱え込むようにして、俺はバランスを崩して床に転がった。

したたか肩を打ったけど、りんごが床に打ち付けらるのは回避した。

そっと体を起こし、りんごを抱え直す。

俺の腕の中で、真っ青な顔で力なく横たわるりんご。

はっはっ、と速い小さな呼吸で上下する胸元。

はだけた白い肌に、いくつもの紅い花びらが散っている。

「りんご!
苦しいのか?
……りんご!」

りんごの、蒼白なその頬を、ぴしゃぴしゃと軽く叩く。

涙の跡が幾筋も伝っている。

血色が失せた頬は、ひんやりとして、まるで人形のようだった。

小刻みな呼吸がなければ、まるで……死んでるみたいに。



死……?