「ア、アイツ?」

ドギマギするりんごに、ムカつく。

何そんなにキョドってんだよ!

「……赤城愁」


「愁かぁ、、んー。
 なんだろ。雛が言うには
 【恋人未満親友以上】
 恋人って訳じゃないけど
 特別だよ、優しくて。
 そうそう小学校の頃にね……
 んんッ……」

嬉しそうに話し始めるりんご。

それ以上聞きたくなくて、俺は、唇をふさぐ。

自分のそれで。


長く、深く。


むさぼるように、りんごの体を抱きしめて。


かみつく様な、激しい口づけ。


プチン、と自分の中で、タガが外れるのが、分かった。



唇は離さず、手近のドアを開けて、りんごごと、転がり込む。

誰もいない、空き教室。

戸を閉めて。