後ろに落ちそうになった私を、つーちゃんが手を伸ばして引き上げようとしてくれた。
でも、私とつーちゃんの手は指先だけが触れて、掴む事が出来なかった。
「怜っ!!」
つーちゃんが焦りながら、私の名前を呼ぶ。
ガタガタガタガタッッ!!
私は階段を転がり落ちた。
男の子と一緒に……
男の子は、校門に見た美男子クンだった。
「俊っ!」
その美男子クンは、俊と呼ばれてた。
もう一人の美男子クンによって…
その美男子クンは、俊っていう人の隣りに駆け寄った。
「怜っ!大丈夫!?」
つーちゃんも階段をかけ降りて、心配そうに声をかけてきた。
「ちょっと痛いけど、大丈夫。」
少しだけ笑みを浮かべて、言った。
私はかばってくれた俊って人。
ちょっと痛そうにしてる。
「あの、大丈夫ですか?」
「あぁ……」
「良かった…。本当にありがとうございました。」
「いや…、別に。」
何か素っ気ない人。
俊って人のことを、そんな風に思ってたら……
行こうぜっ!!
先輩達がそう言っているのが聞こえた。
すかさず立ち上がった俊って人。
先輩の腕を掴もうとしてたけど、その前につーちゃんが掴んでた。
美男子クン二人は、目を丸くしてた。
つーちゃんはそういう子。
いっつも気に入らないことがあれば、素直に行動する。
「ちょっと、黙って行く気?謝りなさいよっ」
つーちゃんは先輩を睨んだ。
「君、先輩になんて口を聞くのかな?」
先輩は不気味な笑みを浮かべながら、つーちゃんを壁に押しつけた。

