翌日の土曜日。
朝から携帯が鳴った。
「はぁーい………」
携帯の音で起きたせいか、まだ寝ぼけてる。
『怜っ、今すぐ起きろ!』
んぅ~
この声は……、蓮?
「どーしたの…?」
『俊の意識が戻ったんだよっ!』
しゅんのいしき…?
「ええぇ~!!!」
一気に目が覚めた。
『うっせえよ…。てか、早く俊のとこ行けっ』
「う、うん!」
『今、俊の母ちゃんが向かってる。俺らもすぐに行くから。』
「分かった!じゃ、切るよ。」
――ブチッ
私は飛び起きて、すぐに支度を始めた。
それからバスで、病院に急いだ。
――ガラッ
「ハァ…、ハァ……。」
病室まで全力で走って、息切れがする。
「怜ちゃんッッ……」
前には、涙を流している俊のお母さんがいた。
「俊っ!」
ベッドに駆け寄ると、今まで閉じていた目が………
優しく私を見ていた。
「れ、い……」
微笑みながら、口を開いた。
嬉しくて、嬉しくて……
「なに…、泣いてんだよ。」
「だってぇー、ヒックッッ……」
涙が止まらないんだ。
「俊、俊……ッッ」
俊の手を握りながら、何度も名前を呼んだ。
「怜……、起きたら…話…ある。」
「起きたら?」
「ちょっと、疲れた……。」
「分かった。起きたら聞くね?」
「ありがと……。」
そう言って、ゆっくりと目を閉じた。

