――ガラッッ
いきなり病室のドアが空いた。
「つーちゃん、蓮。」
二人が息を切らして入ってきた。
「ハァ…、疲れた。」
つーちゃんが、病室の端にあるソファーに座った。
その横に、蓮も座る。
「二人とも、早かったね?」
病室が分かって、つーちゃんにメールいれといたんだよね。
「ほら、泣いてないじゃない。」
え?
「何だよ……、負けた。」
「私のが付き合い長いんだから、だてに一緒にいないのよ。」
「参りました。」
何の話ですか?
意味不明な会話が、繰り広げられてる。
「つーちゃん、何の話してるの?」
「怜が泣いてるか、賭けてただけ。」
私の問いかけに、平然に答えた。
しかも、悪びれなさそうに……
「えっ!?何それ~、酷くない?」
「そ?てか、蓮。奢りだかんね?」
蓮はため息をついて、「分かったよ」と言った。
「アハハハハッッ、面白いね♪怜ちゃんの友達。」
「もう、瑞希さん!笑うとこじゃないですよ。二人とも酷いんですから。」
こんな時に、私が泣いてるかどうか賭けてるなんて。

