そういえば、、、
周りに人がいることも気にせず、泣きながら電話してたんだ。
今さら恥ずかしくなってきたよ。
『楓総合病院前、楓総合病院前でございます。お降りの方は……………』
楓総合病院………
私が降りるところじゃんっ!!
急いで代金を払って、バスを降りる。
そのまま、病院の中に駆け込んだ。
…………て、
どこ行けばいいんだろう。
あの女の人には、
直ぐに来てとしか言われてないし。
そうだっ!
あの女の人に聞けばいいんじゃん。
私、冴えてるー♪
きっと、まだ俊の携帯持ってるよね?
――プルルッッ、プルルッッ
『はいっ、さっきの人?』
「そうです。今、病院の前なんですけど……」
良かった。
さっきの人だ………
『今、そっち行くからっ。特徴教えてくれます?』
「と、特徴?」
『あの…、服装とか髪型とか。』
「ああ~!えっと…。ピンクのニットワンピに、焦げ茶のブーツをはいてて。」
あ、私ブーツで走ってたんだ。
バス停まで……
全速力で走ったけど、走りずらかったのはブーツのせいか。

