「でもさ。今日の智、珍しく速かったよね?いつもは私に追い付けないぐらい、遅いのに…」 「止めろっ」 「え………」 俺の声に、ビクッと体を震わせた。 「どうしたの?急に…」 今にも消えそうなほど、小さな声で言った。 「智樹の話ばっかりするな……」 俺、完璧嫉妬してる。 本気で他の男に、怜を取られたくない。 親友の智樹にも、負けたくない。