「智樹。」
「今度は何だっ!」
「一つだけ覚えときな。」
つかさが、いつもより低い声で言った。
何だ……、怖いな。
「怜を傷つけたら、許さない。」
つかさに圧倒された俺は、立ち尽くすことしか出来なかった。
足が一瞬、動かなくなったんだ。
つかさ、怜、舞、俊、蓮。
いつものメンバーは、男女混合リレーにも出る。
皆、運動神経が良いからな。
走る種目には、ほとんど出るんだ。
だから、つかさは入場門に歩いていった。
「何、突っ立ってんだ?」
俊か……
「別に、何でもない。」
「ふーん。」
………………。
何も喋らないのかよ。
二人で黙って歩いてんだけど……
この状況、気まずっ
「智樹。」
「な、何か……」
「怜のこと…、好きなんだ。」
え……
つかさとの会話、聞いてた??
「話、聞こえてた?」
「後ろにいたら、聞こえた。」
「で、でも。好きだとか、話してないけど…。」
「話してなくても、つかさの最後の言葉で気づく。」
マジかよ…
コイツも鋭いなぁ。

