「でも、いいや。学校帰りだから、お金そんなに持ってないし…。」
そう言って、ウィンドウの中のイヤリングを一つ一つ見て回った。
二人でこれがイイとか、それは合わないとかいろんな事を話しながら。
「そろそろ違う所行く?」
俺が時間を確認しながら言うと、つかさが頷いてジュエリーショップを出た。
それからいろんな所を見て、少し買い物してバイトの時間になっちゃった。
つかさのバイト先は、このデパートの近くらしい。
少し歩いた所に、オシャレなカフェが見えた。
山小屋のような家。
ミニチュア版とかであるような、可愛らしい家。
その家の外に、いくつものテーブルが並べられていて、そこで楽しそうに話すお客さんたち。
「ここ。」
「凄い綺麗だな。こんなとこ、知らなかった。」
「うん、私も知らなかったの。隠れスポットみたいよ?」
つかさはそう言いながら、中に入った。
そこは外からの雰囲気とは大違い。
大人の世界だった。
「驚いた?外はカフェ、中はbar。外は、気軽に高校生とかが来れる空間。けど、中は結構入りずらいから、大人の人が多いかも。」