「音楽だからさ。美和子(ミワコ)先生ー。」
「ああ、美和子先生って綺麗だよね♪」
怜がニコニコしながら言う。
でも、本当に美和子先生って綺麗なんだよ。
校内一の美人教師で、音楽の先生。
まだ20代ぐらいで、若々しくて優しい。
男子はメロメロ、女子は憧れる人が多い。
「男子は音楽の授業が大好きだからね。テンションが違うよ、テンションが。」
つかさが寝転がったまま、頭の下に手を入れて、ブツブツ言ってる。
「蓮もそうなんじゃないのー?」
私が嫌味ったらしく言ってみる。
そしたら蓮は、いきなり慌て出した。
「そ、そ、そんな訳、ないだろ??」
「慌てすぎー」
つかさが起き上がって、言う。
さっき、気付いてたから言ったんだね。
てか、蓮は嘘がつけないよね。
慌てすぎだし。
「つかさ?違うよ?俺はつかさ一筋だかんね?」
「はい、はい。ありがとうございますぅ~」
「ねー、絶対信じてないでしょ?つかさぁ~」
「何よ、うるさいな。」
蓮ったら必死だね。
蓮がつかさ一筋なのは、つかさだって分かってると思うのに。

