「だって、いきなり男の名前が出てきて…。何か親しげに話してたし。」
「はあ…。これからは、ちゃんと人の話は聞いてよね?」
「ごめんなさい。」
もう…。
話はしっかり聞いてほしいよ。
あっ、
バイトの事言わなくちゃ。
「蓮…、あのさ。そのバイトの話なんだけど……。」
「ん?」
「ゴメンっ!今日バイト入っちゃったの。だから…」
「デート…、出来ない…?」
シュンとした顔で、言ってきた。
何か悪いな…。
「ごめん。でも、ちょっとなら…。6時からだからさ。それでも、いい?」
「うん。そういえば、つかさってバイトしてたんだ。」
あれ?
バイトの事言わなかったっけ?
それにしても、悲しい顔。
やっぱり、楽しみにしてたんだよね。
「バイトは夏休みに始めた。」
「そっか…。あっ、じゃあさ。バイト先、言ってもいい?」
「え、私のバイト先?」
「ダメ、かな。」
「いいよ♪それも含めてデートって事で。」
蓮って分かりやすい。
「いいよ♪」って言った瞬間、目がキラキラしたもんね。

