そういえば…
怜の走ってるとこ、見た事ないや。
速いのかな。
イイ線いってるって、つかさ言ってたし。
球技やってるとこは、何度も見ててヒドいなって感じだったけど……
走るのは得意なんだ。
「怜の球技は、見てられないからな。」
俺のボソッと言った言葉が、怜を刺激したらしい。
ガバッと机から起き上がって、ものすごい目で俺を睨み付けた。
「怜…、怖いって…」
「ふんっ!どっかの誰かさんが、余計な事言うからだもん。」
「はいはい。悪かったよ~」
「反省が感じられない~!!もう、いいもん!!」
怜が不機嫌になって、もう一度机に頭を伏せた。
「あーあ。お姫様が拗ねちゃった。」
俊が頬杖をついて、呆れた顔を見せる。
そこに追い討ちをかけるのは、つかさだ。

