容姿端麗6人組



「じゃあ、私は行く。男がメソメソ泣いてんじゃないよ?さっさと林さんが幸せになれる方法、探しなね。」


イライラした気持ちを、少し押さえて言った。


拓海くんの方から、ホテルの方に向き直り歩き始めた。


「待って!!」


拓海くんに呼び止められた。

その声は少し震えていたんだ。


そして、足音がだんだんと近付いてきた。

立ち止まった私。

振り返ると、間もなく腕を握られた。


「愛菜の幸せって、何だろう…。」


は……?

何それ……
自分で探しなさいよ……


「それ…、私に聞いてどうするの?」

「だって、分かんないから。」

「私は林さんじゃないから、知らないよ。」

「でも、さっき分かってるような口振りだったじゃん!」


………。

そんな事、言われたって。


「アンタが探さなきゃ、意味ないじゃん。そういうのって……。お門違いも甚だしいね。」


私はそう言うと、拓海くんの手を振り払って歩き出した。