「まあ、大丈夫だろ。そのうち帰ってくるさ。」

「帰ってこなかったら、どうすんだよ!!」

「そんな慌てなくても…」

「慌てるだろ!愛菜も一緒なんだし…」


愛菜?
呼び捨てってことは、仲良い感じ?

しかも、この慌てよう…







「智!?」


怜の声がした。

智樹?


振り返ってみると……。


そこには、ボロボロになった智と泥だらけになった愛菜ちゃんの姿。


「智、どうしたの?その格好…」


怜は走り寄って、智樹の腕を掴んだ。

怜に続いて皆も走る。


「ちょっと、いろいろありまして…」


智樹は怪我した顔を、少しほほ笑まして言った。


「こんなに傷だらけになって、……」

「木とかいろいろ倒れてきてさ。」

「何があったか説明してっ。皆、心配してるよ??」