お母さんとの思い出…?

「やめてーーーー!
 その子には罪はありません。
 私が全部悪いんです。」

狂ったように泣き叫ぶ

「お前が全部悪いのは
 知ってるわ?
 お前を殺しては
 私の罪になってしまう。
 だからコイツを
 殺すの。悪い?」

アリスが口を開くと同時に

歪な音が部屋に響いた。

その歪な音の方向に

アリスは向かう。

その歪な音は

アリスが思う

ただ唯一の家族から

響いた音だった。

赤黒い液体が流れてゆく。

お母さんの思い出は

これしかないのである。