「母さん…解る?愛する者を亡くす哀しさ。差し出した手が届かない哀しさが……」 母は、何も言えなかった。言えるはずなかった……愛する者と引き離したのは、自分だったから。 「母さん…じゃあ。」 ―5年後― 「希望ー!! 何処だぁー!!」 煌は、娘を探していた。 「<いらっしゃい。>」 「だぁれ?」 希望は、呼ばれて周りを見つめる。 「<いらっしゃい、希望。>」 声に呼ばれて希望は、桜の木の丘に走る。 「妖精…さん……?」 「<いらっしゃい、希望。迷子になったのね。>」