「えぇ―!!」 「俺と叶音の子どもだよ。俺は、この子を連れてウィーンに帰る。」 突然帰って来た息子は、『自分の子』と言って赤ん坊を連れてやって来たのだ。 「煌…話しが全然見えないんだけど……」 母は、首を傾げる。 「可愛いだろう?俺の子どもだよ。」 煌は、もう誰にも邪魔されたくなかった。 「話しは、それだけ。」 「煌、もっと話して!」 「母さん…俺、叶音を守れなかった。可愛くて優しくて…守りたかった。 一人で逝かせたんだ。」 煌は、泪を堪えて言った。