「…本当に?」 「本当だ。父親は、誰だ。」 晴は、聞いた。 「父親は、居ません。私だけの子です。」 叶音は、言って下腹部に手を当てた。 「(…戍くん……赦してくれますか?……煌との子どもを産むことを…)」 叶音は、心の中で亡き戍に讒言した。 「叶音…聞きなさい。父親が居ずにどうやって育てる気だ?」 「お父さん…これが最期のわがままです。」 「叶音……」 一瞬場が凍りつく。 叶音の言葉で寿命を知っている事をみんなは、知った。 「叶音…いつから。」