叶音は、生唾を飲み込む。


「私は……お前の父親だ。」


「っ!!
(やっぱり…そう……だったの?)」


 叶音は、堪えていた泪が零れた。


「叶音…どうか許してほしい。私は、金持ちの家で生まれ育ったせいか…人の心を踏みにじる所があって…なかなか子どもが出来ず家で“後継ぎ”問題が出てきた。
 私は、逃げて外に女を作った。お前の母親も嫌気がさして男を作った。しかし…その人にも妻が居た。
 そして…あの忌まわしい事件が起きた。」


 神父否、父親は、事件の内容を話し始めた。



 哀しみの始まりへ……