叶音は、にっこり笑った。 「少し…これからの事を考えたいんです。」 「そうか…神父様にお願いしてみよう。」 利久は、折れた。 「ありがとう、伯父さん。」 叶音は、笑って部屋に戻って行った。 「利久…いいの?」 「あぁ…残り僅かな命なら好きにさせよう。」 利久は、妻に言って微笑んだ。 実は……1年前のあの日…叶音は、病に倒れていたのだった。 原因不明の脳腫瘍に侵されていた。手術は、不可能だと…主治医に日を改めて呼ばれ利久に説明がなされたのだった。