「叶音ちゃん―!!」


 遠くで自分を呼ぶ声がするが戻る気は、なかった。



 慈しみ深き 友なるイエスは
 罪咎憂いを 取り去りたもう



 叶音は、立ち上がって近くの小さな教会に入る。



 こころの歎きを
    包まず述べて

 などかは下ろさぬ
    負える重荷を



 叶音は、教会の祭壇前に歩く。


「……許して…ください。」


 叶音は、泪を流して歩きながら…呟いた。



 慈しみ深き 友なるイエスは
 われらの弱きを
    知りて憐れむ