「お久しぶりですね、尤(ゆう)さん。」


「あら、利久さんこんにちは。」


 妻がニッタリ笑う。


「お久しぶりです、奈保子さん。叶音が長いことお世話になりました。」


「えぇ、ずいぶん世話をしたわ。話しなんかいいからさっさと連れて行ってちょうだい。」


 叶音の義母は、言って居なくなってしまった。


「尤さんも納得済みですね?」


「あぁ。さっさとあの疫病神を連れ去ってくれ。」


 叶音の義父も言って居なくなってしまった。


「あの…叶音ちゃんを何処かへ?」