叶音は、優しく沙世の頬を撫でる。 沙世は、床に座り込んで叶音の手を握る。 「…どうしたの?」 叶音は、義妹の泪を拭って微笑んだ。 「お義姉ちゃん…お義姉ちゃんがかわいそうで。」 「なんで…?」 叶音が聞くと沙世の顔色が変わりボロボロと泪を流す。 「沙世…教えて。」 儚く微笑んで聞く。 ・・・・・・・ 「赤ちゃんが居たんだって。」 「…“赤ちゃんが居た”……ってどう言う事…?」 叶音は、沙世の手を強く握った。 「お義姉ちゃん…赤ちゃん……死んじゃったの。」