―…馬鹿げている。


 仮に、俺が彼女に特別な感情を抱いている、と今更気付いたところでもうどうしようもない。


 彼女は、俺を嫌悪しているだろう。

 恨んでもいるかもしれない。

 いや、嫌われ憎まれ恨まれて当然だ。


 過去、彼女は俺に好意を抱いていてくれた。


 しかし、それはもう昔の話で。



 恐らく、姫乃が俺を赦し、再び好意を持ってくれることなど、この先ありはしないだろう。




 例え、俺が彼女を求めたとしても。





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