こうすることで心の安定も図れる。

 あぁ、何故あたしは巫女ではないのだろう。
 巫女ならばここで半永久的に女神様へ祈りを捧げることができるのに。
 皇女を辞めれるのなら辞めてしまいたい、それが本音だ。
 まだ何も分からない頃は将来は皇族を辞め、神殿の巫女になるのが夢だと親に語り、困らせてきたほど。

 今でこそ、無理なのも分かるけど祈ることは続けてきている。
 特に、この神殿に来たときは。



 そして外の様子が鎮まるまで神殿に居続ける。それがあたしの生活スタイルのようなものになっていた。

 今回も何日かこの場所で過ごすことになるだろう。
 神殿の巫女や神官たちも快く受け入れてくれる。

「兎に角、無茶はしないこと。そしてたまには自分と向き合ってご覧なさい」

 ナーディアも常にあたしのことを想ってくれる。

 こうした神殿の人たちの優しさがあたしには一番の宝物だった。