「じゃあ、ぼくもいっしょに……」
「殿下! こんなところに居たのですか」
「げ、ヴェイニ」
リュカがいつになく、嫌そうな顔をしている。その視線の向こうには、ナルシスト家庭教師。
今日も相変わらず、長い髪を風に靡かせながら、優雅に登場している。
思わず、あたしもリュカと同じ事を呟いてしまった。
「セリナ様も一緒だったんですか。まったく、殿下を誘惑……」
「してないから、リュカの方から寄って来たんだから」
でも、あたしの言い分なんて耳に届いていないみたい。まあ、目にも入ってないだろう。
「勝手に講義を抜けるなんて」
「だって、国史きらいなんだもん。むずかしくて、よくわかんない」
なるほど、リュカは講義をさぼろうとしていたわけか。
さっきまでの慌ただしいそわそわした感じも納得だ。逃げていたのなら、仕方ない。
あたしも、コイツ相手になると助けてあげたくなるが、そう上手くはいかないだろう。
「きらいでも、やってもらわなければ困ります。それに、殿下に野蛮なところが移っても困ります」
「殿下! こんなところに居たのですか」
「げ、ヴェイニ」
リュカがいつになく、嫌そうな顔をしている。その視線の向こうには、ナルシスト家庭教師。
今日も相変わらず、長い髪を風に靡かせながら、優雅に登場している。
思わず、あたしもリュカと同じ事を呟いてしまった。
「セリナ様も一緒だったんですか。まったく、殿下を誘惑……」
「してないから、リュカの方から寄って来たんだから」
でも、あたしの言い分なんて耳に届いていないみたい。まあ、目にも入ってないだろう。
「勝手に講義を抜けるなんて」
「だって、国史きらいなんだもん。むずかしくて、よくわかんない」
なるほど、リュカは講義をさぼろうとしていたわけか。
さっきまでの慌ただしいそわそわした感じも納得だ。逃げていたのなら、仕方ない。
あたしも、コイツ相手になると助けてあげたくなるが、そう上手くはいかないだろう。
「きらいでも、やってもらわなければ困ります。それに、殿下に野蛮なところが移っても困ります」


