「話、聞いてる? で、結局どこに行っていたの」
そう言われた瞬間に目に飛び込んできたのは、イリヤのアップだった。黒い瞳に覗きこまれている。
俯いていたあたしの頬を両の手で挟み、自分の方に向けている。
なんて、冷静になれてないから!
「……う、ぁあ」
急激に体温が上昇していくのが分かった。特に首から上。
すべてが吹っ飛んだ。
「さ、散歩に行っていただけだよ!」
掴まれた手を振りほどくかのように、叫んだ。
身体が触れられていないのが分かると、再び叫ぶ。
「ちょっと変なモノを見つけたから気になって散歩がてら見に行っただけよ。なんでそんなに気にするのよー!!」
ありったけの力を振り絞って、言葉を発した。自分の持てる力すべてを出し切った。
だけど、返ってきた言葉はあたしが拍子ぬけするようなものだった。
「……なんでだろう。確かに、なんで気にかかるんだろう」
多分、本人すら気付いていなかったんだろう。
「あ、あたしに聞かれても分からないから!」
「そうだね、とりあえず、帰ってきたからよかったよ。じゃあね」
やっぱり、嵐だった。
過ぎ去ったあとに、大変困ったものを残していく。
自分の事なのに、よく分からない感情、熱く火照った身体だけが残ってしまった。
そう言われた瞬間に目に飛び込んできたのは、イリヤのアップだった。黒い瞳に覗きこまれている。
俯いていたあたしの頬を両の手で挟み、自分の方に向けている。
なんて、冷静になれてないから!
「……う、ぁあ」
急激に体温が上昇していくのが分かった。特に首から上。
すべてが吹っ飛んだ。
「さ、散歩に行っていただけだよ!」
掴まれた手を振りほどくかのように、叫んだ。
身体が触れられていないのが分かると、再び叫ぶ。
「ちょっと変なモノを見つけたから気になって散歩がてら見に行っただけよ。なんでそんなに気にするのよー!!」
ありったけの力を振り絞って、言葉を発した。自分の持てる力すべてを出し切った。
だけど、返ってきた言葉はあたしが拍子ぬけするようなものだった。
「……なんでだろう。確かに、なんで気にかかるんだろう」
多分、本人すら気付いていなかったんだろう。
「あ、あたしに聞かれても分からないから!」
「そうだね、とりあえず、帰ってきたからよかったよ。じゃあね」
やっぱり、嵐だった。
過ぎ去ったあとに、大変困ったものを残していく。
自分の事なのに、よく分からない感情、熱く火照った身体だけが残ってしまった。


