あの場で気絶しなかった自分を褒めたい。もう少しで飛びかけた意識を必死に繋ぎとめる。
今、あたしは部屋にある椅子に座らされている。向かいには、イリヤ。なぜかあたしのベットに優雅に足を組んで座っている。
なんで、ベッドに座っているのと聞きたいが、やめておいた。
暗かった部屋に灯された明るさにも次第に慣れ始めると、ますます目に入ってしまう。
見たくない表情まで見えてしまい、あたしは自然と目線が下へと下がっていた。
「いや、ちょっと帰りが遅くなって」
「ならなんで部屋に鍵がかかっていたの?」
そう! 鍵よ、鍵!
どうして鍵のかかった部屋の中にイリヤはいたのよ。
「ふーん、僕の質問より、僕がなぜここに居たのかということが気になっている?」
「うっ」
おっしゃる通りです、と素直に言う事も出来ず、ますます床の方に目が行く。
身体がだんだんと縮んでいく気がした。
「鍵がかかっていたのなら、開ければいいだけのことでしょ」
「は? 開けたって」
「あ、ピッキングとかじゃないよ。晩御飯過ぎてもいないから合い鍵貸してもらって、普通に開けてみただけだから」
普通じゃないよ、と思ったのはあたしだけ?
僅かに目線を上げても、足しか見れないあたしってなんて弱気なの。
黒い服のためか、スタイルよく長い脚に目が奪われる。男のくせに美脚なんじゃないの、と少し頭の中で別の事考えていたら、現実に引き戻される。
それは、もう突然に。
今、あたしは部屋にある椅子に座らされている。向かいには、イリヤ。なぜかあたしのベットに優雅に足を組んで座っている。
なんで、ベッドに座っているのと聞きたいが、やめておいた。
暗かった部屋に灯された明るさにも次第に慣れ始めると、ますます目に入ってしまう。
見たくない表情まで見えてしまい、あたしは自然と目線が下へと下がっていた。
「いや、ちょっと帰りが遅くなって」
「ならなんで部屋に鍵がかかっていたの?」
そう! 鍵よ、鍵!
どうして鍵のかかった部屋の中にイリヤはいたのよ。
「ふーん、僕の質問より、僕がなぜここに居たのかということが気になっている?」
「うっ」
おっしゃる通りです、と素直に言う事も出来ず、ますます床の方に目が行く。
身体がだんだんと縮んでいく気がした。
「鍵がかかっていたのなら、開ければいいだけのことでしょ」
「は? 開けたって」
「あ、ピッキングとかじゃないよ。晩御飯過ぎてもいないから合い鍵貸してもらって、普通に開けてみただけだから」
普通じゃないよ、と思ったのはあたしだけ?
僅かに目線を上げても、足しか見れないあたしってなんて弱気なの。
黒い服のためか、スタイルよく長い脚に目が奪われる。男のくせに美脚なんじゃないの、と少し頭の中で別の事考えていたら、現実に引き戻される。
それは、もう突然に。


