だからだろうか。気がつけば、女として生きることが嫌だった。
 だって、男として生まれてきたら、こんな悩みなんてなかっただろう。 髪を短くし、剣を振り回すようになったのも、そう言う理由のためだろうと考える。
 もちろん、女のようにおしとやかな振る舞いや言い方は苦手。

 二、三年前からは口数も少なくなり、今のような性格が形成されていった。
 ただ、親に言われ髪だけはただ伸ばし始めた。自分の髪を鏡越しではなく、直に手にとって見たとき、こんなにもごてごてとした黄金の髪だったのかと驚愕したことがあった。

 今更、女らしく生きなさいって言われても無理な話だ。
 ましてや結婚なんて雲の上の話になる。


 ただ静かに過ごしたい。そう言う願いもある。
 叶うのか、さっぱり分からないが。