例の式典から一夜明けただけの朝。時間にして短い間だが、確実に変化があった。
 リンド公をはじめ、後継になったあたしを支持する賛成派、一方変わらず弟のリュカを支持する反対派に大きく分かれたということだ。
 数にすると半分以上は反対派だが、それでも賛成派がこんなにもいたということに驚きを隠せない。
 100人居たとして1人居たらいい方だと思っていたくらいだから。
 しかしこのことで他のことも言えてくる。賛成、反対どちらにしても派閥となり、いがみ合いが起こるのではないかということ。
 国が真っ二つに割れるなんてイヤだけど、このままだとそれもなりかねない。

 以上、朝の時間見て回って気付いた事。


「これからどんな風になっていくのか楽しみだね」
「他人事だから、そんなことが言えるんでしょ……」

 朝からため息しかでない。この状況を冷静沈着に客観視しているのはイリヤ。あたしにはそんなこと到底無理。だって他人事じゃないもの。

「移動するのも変に疲れるし、今日はこのまま」
「約束、したんじゃないの?」