【長】黎明に輝く女王

 あとは……何だろう。優しいのか、厳しいのか結局分からない。って結局、分からない事の方が多いじゃないか。

 分からないって言えば、あたし自身もよく分からない。
 嫌味なアイツは好きにはなれないけれど、嫌いにもなれない。最近は食事は一緒にするし、愚痴も話す。けれど、この関係をなんて言えばいいのか本当に分からないのだ。

 秘玉の主? ってそんなことになれば、婚約者になるじゃない! でもそんな話は一切、あがってないし。
 護衛? 一緒に行動することはあるけど、そういうのじゃない。
 友人? そもそもあたしに友達なんていないから、それでいいのか分からない。
 生徒? お互い教えたり、教えられたりしているけれど、そんなはっきりしたものじゃない。

 まあ、そんな感じで2か月過ぎた。今回イリヤは国からの来賓扱いになっている。
 そして、彼も式に出席するのは分かったが、なぜここにいるのか分からない。

「聞き方を変える。何かあたしに用があるの」
「これといった用じゃないけれど、今回僕はキミの監視役を言われているんだ」
「か、監視役!? 一体誰に、何のため!」