大人たちって勝手すぎる。自分たちの思いのまま勝手に話を進めるんだもの。
 自分たちの都合で厄介払いしたくせに、いざという時はあたしを利用する。まだまだ子どもなあたしは便利なおもちゃなんだろう。

 そんな事実に耐えることもできないあたし自身も弱い。卑屈になって、自暴自棄になって。
 あたしは、そんなあたしも嫌いだ。

 周りの制止を聞かず、走り続け、離宮まで戻ってきた。
 ここまで来てしまえば、あたしを止める人なんていない。


 逃げ込む場所は自分の部屋。だって、あたしの居場所なんてここしかないんだもの。ここだけがあたしの世界、全て。

「なんで突然、あたしが後継者にならなければならないのよ」

 どうして、そう言えばきりがない。一体、議会で何があったのか、あたしにはわからないけれど、何かしらの変化が生じているのだと思う。

「……どうして、あたしだけ」

 卑屈なあたしの口癖。そしていつもそのあとにつけたすのだ。
 助けて、女神さま、と。