そして再び膝を折って屈み、騎士の主に忠誠を誓う礼をしたのだ。
その光景にあたしを含め、誰もが開いた口がふさがらず、動けなかった。
リクハルドという者の本性とは一体どれなんだろう。飄々とした普段の感じからは程遠い、正しく騎士の鏡としての姿がそこにはあった。
「お、おれだって誓います!」
「そうだ、そうだ……こんなにしっかりと国のことを考えてくれる姫様だからこそ」
「実をいえば、ずっと前からおれらは姫様を応援してきたんです! 権力にモノ言わせている古参の貴族連中がいたから、我が身可愛さに我関せず状態ですみませんでしたぁ!」
と、一人が口を開くとそれをきっかけに口々に喋り始める真実。
かつて反対派が多数をしめていた皇宮。しかしそのほとんどが男子後継にこだわる古参の貴族たちであり、官僚や騎士、若い貴族たちは皇王が考えを示したセリナ後継派の一派だった。
しかし、皇宮内でも力をもつ彼らにとっては過激的であり、一歩間違えばあたし自身の命の危うい。
だからこそ、彼はは悪口を罵ることはなかったものの、関与しない状況が続いていたのだった。
そう考えれば、他の者たちの対応が、後継指名後にすぐに変わったのもうなずける。
古参連中の方が不利な立場に追い込まれたのは言うまでもない。
「で、でも、あたし、そんなこと何も知らなかった。この国のみんなに徹底的に嫌われているって思って……。だけど、そうじゃなかったんだッ……!」
初めて知った真実にあたしは何も言えなかった。さまざまな感情が溢れかえり、どうしていいのかも分からない。
「そうです、だから姫様は堂々とされていればいいんですよ」
「いやぁでも、それを真っ先にあの小僧が言うんだから」
「子どもの考える事は突拍子もないっていうが、アイツ変に格好つけやがって!」
と、周りで囁かれる声すらもあたしにとっては、とても幸せで嬉しいものだった。
その光景にあたしを含め、誰もが開いた口がふさがらず、動けなかった。
リクハルドという者の本性とは一体どれなんだろう。飄々とした普段の感じからは程遠い、正しく騎士の鏡としての姿がそこにはあった。
「お、おれだって誓います!」
「そうだ、そうだ……こんなにしっかりと国のことを考えてくれる姫様だからこそ」
「実をいえば、ずっと前からおれらは姫様を応援してきたんです! 権力にモノ言わせている古参の貴族連中がいたから、我が身可愛さに我関せず状態ですみませんでしたぁ!」
と、一人が口を開くとそれをきっかけに口々に喋り始める真実。
かつて反対派が多数をしめていた皇宮。しかしそのほとんどが男子後継にこだわる古参の貴族たちであり、官僚や騎士、若い貴族たちは皇王が考えを示したセリナ後継派の一派だった。
しかし、皇宮内でも力をもつ彼らにとっては過激的であり、一歩間違えばあたし自身の命の危うい。
だからこそ、彼はは悪口を罵ることはなかったものの、関与しない状況が続いていたのだった。
そう考えれば、他の者たちの対応が、後継指名後にすぐに変わったのもうなずける。
古参連中の方が不利な立場に追い込まれたのは言うまでもない。
「で、でも、あたし、そんなこと何も知らなかった。この国のみんなに徹底的に嫌われているって思って……。だけど、そうじゃなかったんだッ……!」
初めて知った真実にあたしは何も言えなかった。さまざまな感情が溢れかえり、どうしていいのかも分からない。
「そうです、だから姫様は堂々とされていればいいんですよ」
「いやぁでも、それを真っ先にあの小僧が言うんだから」
「子どもの考える事は突拍子もないっていうが、アイツ変に格好つけやがって!」
と、周りで囁かれる声すらもあたしにとっては、とても幸せで嬉しいものだった。


