互いに興味関心がばらばらなのはよく知っているし、それに関しては何も言わないのが、無言の掟だ。
掟をやぶってちょっと誘ってみたい気はしているが。
妄想と現実の違いぐらいは分かっている。そろそろ現実に戻ってこようと剣を握る。
その剣の重さを身をもって感じていると、何時かの如く声を掛けられた。
「姫様、また稽古ですかい?」
軽やかに笑う声に、振り返ると、堂々と立つリクハルドの姿があった。
入隊してまだ1年もたっていないのに、隊の中でも年下の下っ端にあたるというのに、自信をもったその表情。
身の程知らずの馬鹿なのか、それとも将来大物になる器なのか、そんなことを考えていた。
「えぇ、頭を働かす仕事って疲れるからこうして体を動かしたくなるんだけど、ちょうどいいわ。あたしと勝負なさい」
「リベンジってこと?」
「……たまたま貴方がそこにいたからよ」
口ではそう言ったものの、やはり心のどこかではあの時のことを引きずっているのかもしれない。
「ははは、頑張ってくだされ姫様!」
「そうだそうだ、生意気なガキにひと泡ふかせてやってくだされ」
周りに居た騎士たちは、リクハルドに恨みでもあるのか、一気にあたしの味方をし始めた。
束となり応援されるのは悪い気持ちではないが、何かあるんじゃないかと疑ってしまう自分がいる。
掟をやぶってちょっと誘ってみたい気はしているが。
妄想と現実の違いぐらいは分かっている。そろそろ現実に戻ってこようと剣を握る。
その剣の重さを身をもって感じていると、何時かの如く声を掛けられた。
「姫様、また稽古ですかい?」
軽やかに笑う声に、振り返ると、堂々と立つリクハルドの姿があった。
入隊してまだ1年もたっていないのに、隊の中でも年下の下っ端にあたるというのに、自信をもったその表情。
身の程知らずの馬鹿なのか、それとも将来大物になる器なのか、そんなことを考えていた。
「えぇ、頭を働かす仕事って疲れるからこうして体を動かしたくなるんだけど、ちょうどいいわ。あたしと勝負なさい」
「リベンジってこと?」
「……たまたま貴方がそこにいたからよ」
口ではそう言ったものの、やはり心のどこかではあの時のことを引きずっているのかもしれない。
「ははは、頑張ってくだされ姫様!」
「そうだそうだ、生意気なガキにひと泡ふかせてやってくだされ」
周りに居た騎士たちは、リクハルドに恨みでもあるのか、一気にあたしの味方をし始めた。
束となり応援されるのは悪い気持ちではないが、何かあるんじゃないかと疑ってしまう自分がいる。


