夜会の後、ほんの少し変化したことがある。一つ目はイリヤと一緒にいる時間が増えた事。二つ目はあたしを取り巻く環境がいい方向に進んでいる事。

 イリヤとは、互いに別々にする仕事があるけど、秘玉に導かれ将来を共にする仲ということで、秘玉の試練なんかをよくするようになった。
 といっても、相互理解に努めるぐらいで、厳しいものではない。

 でも、大きさや数は変化しているのに、相変わらず色はなかった。いつまでも先が見通せるほどに、色が何にもない。
 それもイリヤは特に問題視しているわけじゃなく、これはこういうものなんだろうって最近は開きなおっている。


 そしてあたしを取り巻く環境。あれほど疎外感を感じていたこの場所にも少しずつ馴染んできた証拠だろうか。
 エッカルト公を筆頭に、若手の貴族たちなど、理解を深める者たちが集まってきている。
 メイドたちは普段よく接するためか、あたしの頑張りを応援してくれる者たちも現れ始めた。

 どちらにしても、役目だからしているといった彼らが、自らの意志であたしに近付いてくれるようになったのだ。
 もちろん、急に変化したわけじゃなく、毎日目に見えない変化が積み重なり、振り返れば……といった具合に。


 改めて思うと、驚きが隠せない。

 それと、イリヤを取り巻く環境にも動きは見られた。好きでしているらしい研究はもちろん、あたし以外では気さくな性格らしく味方というか仲間をどんどん惹きつけているらしい。

 男に限らず、女も……というのは、ちょっと嫌だけど、最近はお互い嫌だと思った事はすぐに口に出すようにしている。
 というか、させられた。未だに自分の中の恥ずかしい部分をさらけ出すみたいで慣れないのだけれども。



 まあ何はともあれ、充実した忙しい日々を送っている。