「まぁ、こちらは黄金の靴です」
「見るだけでも眩い品々ですね」
箱の中には怪しいモノは入っていない。代わりに、触るのも憚れるような高級な調度品の数々がお目見えする。
靴に、髪飾り、指輪に腕輪、宝石をちりばめさせた首飾りに、化粧品のセットまで。
「それで、肝心のドレスはまだ?」
「えぇ……ショールなどはあったのですが」
本体のドレスはまだ見つからない。どれだけあるのだと言いたいが、今に始まった問題ではない。
思い返せば、頼んでもいない品々がこんなに届くのはどうしてとしか言葉が出ない。
最低限の衣装に、最低限のアクセサリー。その意図はどこにも伝わっていなかったのは、この状況を見れば一目瞭然。
本当に、お任せしたばかりにこうなってしまったのだろうかと、頭を悩ます。
とりあえず、上にあるものから順に確認、片付けを済ませるとようやくお目見えになったドレス。
実に4着。どれも造りは同じようなかんじだが、色合いが違う。これもお任せの……。そもそもお任せにしたのに、向こうが決められなかったのか。
1着というあたしのなけなしの意志は通らなかったのか。


