「うぅー、お腹すいた……」

 執務の合間をぬって、自室に戻り、ドレスの採寸をするのだが、ちょうどいい昼休みの時間帯に声がかかった。
 ただし、これからお昼ご飯という時に呼び止められたため、腹が減るのは仕方のない事だろう。


「姫様、背筋を伸ばしてください」
「は、はいッ!」

 下着姿のまま、身体の至る部分を測られる。前取った記録で作ればいいものを、なぜ今回もしなくてはならないのかあたしには分からなかったが、身体の変化を調べるにも必要だと言われた。
 身体の変化って何を調べるつもりなのかは……ちょっと聞けなかった。

 そして胸を測った時。
 下着の上からとはいえ、胸にメジャーが触れるのはやはり恥ずかしかったが、それだけではおさまらなかった。


「うーん、あら? バストのサイズが大きくなっていますわね」
「へ!?」

 な、何で!? 成長期……はもう終わっているんだけど、もしかして胸だけはこの時期により成長するものとか?

「姫様には秘玉の主もいらっしゃいますし、恋する乙女なんでしょうね」
「な、なんでそうなるの!?」

 そ、それとこれとがどういう関係になるというの。
 なに、人間恋すれば胸が成長するとでもいいたいの!? 人体の神秘、とかじゃないんだから。

「サイズを測って正解でした。前のドレスと着たら少し窮屈だと思いますので」
「少しっていっても、微々たるものなんでしょ、少しくらいきつくたって……」
「だめです、正しいサイズに合うものをお召しにならないと、形が歪み美しく見えません」