朝、日もそれなりに上り、人々が活発に動き始める時間になると、あたしたちも動き始めた。
 赴いた場所は輸入した品を保管する場所、見方によっては倉庫にも見えるその場所は、きちんと整理され、好印象を与える場所だった。

「えっと、とりあえず……この書類にあるものが確かか、調べていこうか」
「セリナ様、二人組をつくり、一人が調べ、一人が書類に書き込むようにすればよいと」

 途方もない作業になりそうだと思った時、後ろに控えていたエッカルト公が小声で伝える。
 確かに一人だといろいろと不安だし、そのいいかもと思い、頷く。



「地道な作業になりそうだけど、こればっかりはどうしようもないね」
「ほんと、こんなことならもう少し人員を引き連れてくるべきだったわ」


 時間ももったいないということで、すぐに行動に移す。一緒に調べているイリヤに愚痴をこぼしながら、作業を進めていく。

 区画ごとに分けられた品を探すのだが、簡単に見つかるものもあれば、見つからないものもある。

 そもそもどんなものなのか分からないような物まである。

「あぁー公務ってこんなことまでしないといけないのー」

 今までのうのうと生きて来たあたしはなんて無知だったんだろう。自分自身にもかかわってくることなのに。
 まあそれでも、今知ることができただけでもいいとしようか。