思い出してしまった心は、これまでの自分の罪深い行為を恥じた。しかしながら心のどこかで、ほんのわずかにかつて自分が考えた事は無駄じゃないと思ってもしまった。
皇女と秘玉の主の仲の悪さを見ると。
『セリナ様は、あの者と仲がよいようには思えない。陛下たちは始めから仲がよかっただけに、本当にこれでいいのだろうか』
言い訳かもしれない。自分の心に逃げ道をつくっただけかもしれない。
それでもそう思わざるを得なかった。
そして葛藤に陥る心。自分は皇族に忠誠を誓っている、いやでも内戚になるという可能性はまだ捨てたもんじゃない。
悩みに悩み、考えに考えた末の行動が今回の事件の発端だった。
まず、秘玉の主がいる今の状況で長男を推すことはできない。だが次男ならなんとかなるかもしれない。
地位のある己の息子ならば騎士団に入るという理由なんてほとんど必要ない。当たり前で通る。皇女のそば近くにいさせ、いざとなればこちらを推すことだってできる。
こうして次男のリクハルドが騎士団に入隊した。
その時からすでに事件は始っていたのである。
しかし次男が入隊したが、対して大きな効果も得る事ができなかった。
『リクハルドじゃ駄目だ……近付いたはいいが皇女に嫌われてしまった。あぁ、もう何をしたんだあの馬鹿息子は』
皇女と秘玉の主の仲の悪さを見ると。
『セリナ様は、あの者と仲がよいようには思えない。陛下たちは始めから仲がよかっただけに、本当にこれでいいのだろうか』
言い訳かもしれない。自分の心に逃げ道をつくっただけかもしれない。
それでもそう思わざるを得なかった。
そして葛藤に陥る心。自分は皇族に忠誠を誓っている、いやでも内戚になるという可能性はまだ捨てたもんじゃない。
悩みに悩み、考えに考えた末の行動が今回の事件の発端だった。
まず、秘玉の主がいる今の状況で長男を推すことはできない。だが次男ならなんとかなるかもしれない。
地位のある己の息子ならば騎士団に入るという理由なんてほとんど必要ない。当たり前で通る。皇女のそば近くにいさせ、いざとなればこちらを推すことだってできる。
こうして次男のリクハルドが騎士団に入隊した。
その時からすでに事件は始っていたのである。
しかし次男が入隊したが、対して大きな効果も得る事ができなかった。
『リクハルドじゃ駄目だ……近付いたはいいが皇女に嫌われてしまった。あぁ、もう何をしたんだあの馬鹿息子は』


