【長】黎明に輝く女王

「お、おねえちゃん!!」

 恥ずかしくてかたまるあたしを余所に、真っ先に駆けつけて来たのは、弟のリュカだった。

「うわぁぁ……おねえちゃんー!!」

 大粒の涙をこぼしながら、ぎゅっと抱きしめるリュカ。その小さな体のどこにそんな力があるの、っていうくらい強い力で。
 よかったいうことを伝える弟の姿を目の当たりにする。純粋に、素直に喜ぶリュカ。

 あたしは今まで、リュカに対して感じていた気持ち――嫉妬、羨望、煩わしさ――がなんてちっぽけで馬鹿げたものなのだというのをこの時、初めて思った。
 この小さな弟はただ純粋にあたし(姉)を思ってくれていた。甘えとか、ご機嫌取りとかじゃなくて、親愛をもって。

 たぶん、今までのあたしならそのリュカの気持ちすら疑っていたと思うけれど、今のあたしはそれをすっと受け止める事ができた。

 リュカを抱え込むことができるようにしゃがみ、震える両手で彼の体を抱きしめる。

「ごめんね、ごめんね……ありがとう」

 どのくらいの時間、そうしていたか分からない。けれど、心はとても落ちついていた。
 そして、そんなあたしたち二人を包み込むように両親がやってくる。

「お父さん、お母さん」

 今まで踏み込めなかった家族の輪に、今なら入っていけるそう思える。リュカを抱きしめていた腕を解き、二人の方をじっと見る。

 あぁ、あたしはどうなるんだろう。怒られるのかな、気にも留めないのかな、それとも泣いてくれるのかな。
 たくさんの気持ちが混ざり込み、心臓の音が速くなる。

 と、次の瞬間、触れた温かさ。