「んなッ」
扉が開こうとしたらしい。だけど開くのを阻むかのようにあたしが座っていたから、あたしごと倒れた。
一歩間違ったら、扉と壁に挟まれるところだった。
あたしは無意識のうちに、なぜこんなことになったのか原因を知ろうと扉の方に顔を向けた瞬間、顔が強張った。
「い、イリヤ……」
あたしが部屋に逃げた原因がそこに立っていた。腰に手をおき、堂々と立つ姿に逃げ出したくなる気持ちが高くなる。
今あたしは倒れている。必然的に彼を見上げる形になる。この下から見上げる角度なのがいけないのかもしれない。
相変わらずな端正な顔立ちには笑みがない。いや、不気味に口元が上がり笑っているようにも見えるが、目元がそうでないことを訴えている。
でも、逃げたくても逃げられないじゃない。唯一の出入り口を向こうが確保しているのだから。
しかも、イリヤの登場に腰が砕けてしまった。
じゃあ何か言えばいいの。でも、なんて?
頭の中ではそれらのことを僅かの時間にすべて考えていた。実際には一瞬だったかもしれないが、あたしには長い時のように感じた。
「ひ、久しぶり?」
そう言うと、今まで聞いた事のないような低い声で、反応する声が聞こえてきた。
ま、まずいことを言ってしまったのだろうか。でも、それ以外思い浮かばなかった。
扉が開こうとしたらしい。だけど開くのを阻むかのようにあたしが座っていたから、あたしごと倒れた。
一歩間違ったら、扉と壁に挟まれるところだった。
あたしは無意識のうちに、なぜこんなことになったのか原因を知ろうと扉の方に顔を向けた瞬間、顔が強張った。
「い、イリヤ……」
あたしが部屋に逃げた原因がそこに立っていた。腰に手をおき、堂々と立つ姿に逃げ出したくなる気持ちが高くなる。
今あたしは倒れている。必然的に彼を見上げる形になる。この下から見上げる角度なのがいけないのかもしれない。
相変わらずな端正な顔立ちには笑みがない。いや、不気味に口元が上がり笑っているようにも見えるが、目元がそうでないことを訴えている。
でも、逃げたくても逃げられないじゃない。唯一の出入り口を向こうが確保しているのだから。
しかも、イリヤの登場に腰が砕けてしまった。
じゃあ何か言えばいいの。でも、なんて?
頭の中ではそれらのことを僅かの時間にすべて考えていた。実際には一瞬だったかもしれないが、あたしには長い時のように感じた。
「ひ、久しぶり?」
そう言うと、今まで聞いた事のないような低い声で、反応する声が聞こえてきた。
ま、まずいことを言ってしまったのだろうか。でも、それ以外思い浮かばなかった。


