部屋に戻ろうと扉の前にまで来て、ふと立ち止まり振り返った。
屋敷の主である伯爵たちと話を進めている様子を他人のように後ろから眺めて思う。
そういえばなぜ、イリヤが騎士団の人達と一緒にいるのか。未だに彼の方を見ることはできないでいたが、ちらりと視界に入る。
込み上げてくる思いはたくさんあるが、その思いに対してどのように動いていいのか分からない。
怖さや恥ずかしさなどいろんな入り混じる思いを胸に、あたしは速足で部屋に戻って行った。
ゆっくりとした足取りで、でも部屋に近付くと速足で中に入り、勢いよく扉を閉めた。
「……あたしったら何やってるのよ、逃げたって意味ないのに」
部屋の扉にもたれ、頭を押さえながら呟いた。頭の中では自己嫌悪の嵐。
今、ここでこうして自分が存在していることが恥ずかしくなる。
そんなあたしとは正反対のように天気はよく、窓から入ってくる温かな陽射しを感じていた。
しばらく経ち、少しだけ落ち着きを取り戻した。が、身体に力が入らずそのまま床へとへたり込む。
「ははは、情けない」
こんな姿、誰にも見せたくない。この部屋に一人でいることに、今更ながら安心を覚える。
しかし、それすらも一時の事にすぎなかった。
心が安心を覚えた時、前方に向かって身体が倒れこんだ。
屋敷の主である伯爵たちと話を進めている様子を他人のように後ろから眺めて思う。
そういえばなぜ、イリヤが騎士団の人達と一緒にいるのか。未だに彼の方を見ることはできないでいたが、ちらりと視界に入る。
込み上げてくる思いはたくさんあるが、その思いに対してどのように動いていいのか分からない。
怖さや恥ずかしさなどいろんな入り混じる思いを胸に、あたしは速足で部屋に戻って行った。
ゆっくりとした足取りで、でも部屋に近付くと速足で中に入り、勢いよく扉を閉めた。
「……あたしったら何やってるのよ、逃げたって意味ないのに」
部屋の扉にもたれ、頭を押さえながら呟いた。頭の中では自己嫌悪の嵐。
今、ここでこうして自分が存在していることが恥ずかしくなる。
そんなあたしとは正反対のように天気はよく、窓から入ってくる温かな陽射しを感じていた。
しばらく経ち、少しだけ落ち着きを取り戻した。が、身体に力が入らずそのまま床へとへたり込む。
「ははは、情けない」
こんな姿、誰にも見せたくない。この部屋に一人でいることに、今更ながら安心を覚える。
しかし、それすらも一時の事にすぎなかった。
心が安心を覚えた時、前方に向かって身体が倒れこんだ。


