【長】黎明に輝く女王

 そして、いろいろなことを考える中で、一つの結論が導き出された。

 あたしをここに連れて来た人物と最初に閉じ込めていた人物、それは同一人物……ではないかもしれない、ということ。

 もし、あの場所で見つけたのが同一人物なら、元いた場所に連れ戻すのが普通だろう。
 森を抜けてきたとはいえ、あの周りに建物なんてなかった。一番近い建物は、おそらくあそこに違いない。

「いやでも、元の場所に戻したらまた逃げられるとでも思ったのかも」

 それでも、違うと言いきれたのは、扱いの違いだろうか。

 ベッドで寝ていたあたしは、無造作に寝かされていたわけではなく、きちんと仰向けの姿勢で寝かされていた。
 しかもご丁寧に布団もかけていてくれて。
 まるで、応接中に寝てしまった客人を寝室に連れて寝かせてくれたかのように。


 だからだろうか、心の中でどこか安心している自分が居る。
 ここに連れて来た人物は必ずしも、あたしの敵ではない。そう信じたい。

 かといって、むやみやたらに部屋から出るのは得策ではない。
 あたしが導き出した答えは可能性であって、確実な正解ではないのだから。

「とりあえず、この部屋の様子でも見せてもらおうか」

 ベッドから見て右隣に扉がある。その扉の位置からして、この部屋はどこかに繋がっているのだろう。
 もともと扉はそこしかない。この部屋が寝室であることは間違いない。
 多分寝室を出ると、普段過ごす主部屋があるのだろう。そこの扉から出ないとおそらく外には出れない。

「なるほど。簡単には出られないようにしているのか」

 その目的は分からないが、もしかしたらあたしがここから逃げ出すことはない、とでも思っているのかもしれない。