「シロかクロかと聞かれれば、限りなくクロに近い灰色だと思うけど」
現在の調査結果を見て、イリヤは呟いた。その表情は非常に落ちついており、冷静である。
共に調査している捜査班は、なぜそう思ったのか理由を聞いた。
「決定的な証拠がない以上、クロとは言えない。かといって、これまで調べてきた100人近くの中で、これほどまでに怪しい行動を取っている人なんていない。理由なんてあとで調べるか、本人に直接聞くかしたら分かるでしょ」
「でも、あのリンド公ですよ」
「古参貴族の中では反対派がほとんどの中、姫様を賛成してくれている唯一の方といっても過言ではないのに」
イリヤはそのリンド公というのを、一度だけ見た事ある。
例の式典の時だけだ。なので、その一度でリンド公という人を見極めることは難しいのである。
しかし、常日頃から彼を知っている捜査班の皆は、信じられないといったところだ。
(もしかしたら、それこそが狙い目なのかもしれないけれど)
心の中で呟く。普段の人柄というのはその人物を決定づけるものとしては大変便利なものだと思う。
皆の前ではどんな風にも接することはできる。裏で何考えているかなんて、人間誰も分からないのだから。
普段をよく知らないイリヤだからこそ、客観的に物事を考える事ができた。
「今の段階では、リンド公は要注意人物としか言えない。賛成派とか、反対派とかそんなもの関係なしに」
「賛成派でありながら、こんな行動をとったとでも」
「その可能性だってなきにしもあらず」
憶測でしか話は進められない。ただ、考えられる可能性をすべて検証していくことで、限りなく真実には近付けるはず。
イリヤはそう信じていた。そのためにももっと調べる必要がある。そう提案をする。
「というわけで、内密に彼の動きを直接調べよう。シロだったら、その時点でこの調査は終了、振り出しにもどる。クロだったら、王手をかける。それでいい?」
「は、はい」
「調べてみない事には何も進みませんからね」
捜査班の心も一つになり、事件解決に向けて大きな一歩を踏み出した瞬間だった。
現在の調査結果を見て、イリヤは呟いた。その表情は非常に落ちついており、冷静である。
共に調査している捜査班は、なぜそう思ったのか理由を聞いた。
「決定的な証拠がない以上、クロとは言えない。かといって、これまで調べてきた100人近くの中で、これほどまでに怪しい行動を取っている人なんていない。理由なんてあとで調べるか、本人に直接聞くかしたら分かるでしょ」
「でも、あのリンド公ですよ」
「古参貴族の中では反対派がほとんどの中、姫様を賛成してくれている唯一の方といっても過言ではないのに」
イリヤはそのリンド公というのを、一度だけ見た事ある。
例の式典の時だけだ。なので、その一度でリンド公という人を見極めることは難しいのである。
しかし、常日頃から彼を知っている捜査班の皆は、信じられないといったところだ。
(もしかしたら、それこそが狙い目なのかもしれないけれど)
心の中で呟く。普段の人柄というのはその人物を決定づけるものとしては大変便利なものだと思う。
皆の前ではどんな風にも接することはできる。裏で何考えているかなんて、人間誰も分からないのだから。
普段をよく知らないイリヤだからこそ、客観的に物事を考える事ができた。
「今の段階では、リンド公は要注意人物としか言えない。賛成派とか、反対派とかそんなもの関係なしに」
「賛成派でありながら、こんな行動をとったとでも」
「その可能性だってなきにしもあらず」
憶測でしか話は進められない。ただ、考えられる可能性をすべて検証していくことで、限りなく真実には近付けるはず。
イリヤはそう信じていた。そのためにももっと調べる必要がある。そう提案をする。
「というわけで、内密に彼の動きを直接調べよう。シロだったら、その時点でこの調査は終了、振り出しにもどる。クロだったら、王手をかける。それでいい?」
「は、はい」
「調べてみない事には何も進みませんからね」
捜査班の心も一つになり、事件解決に向けて大きな一歩を踏み出した瞬間だった。


