「気がついたら、わたしたちよりも神寵姫、ナーディアと仲良くなっていてね。よく抜け出して、神殿に行っていたりしてたわ」
そして次第に皇女は自分の身を自分で守る術を身につけていった。
身も心も、誰にも負けないように強く、強く。気がついたら、女というよりも男の子のような生活をしていたのはそんな流れからだ。
そんな皇女に変化が訪れた。
「リュカが生まれたことによって、また変化が生じたのよ」
皇子が誕生したのは、11歳の時。周囲も十年ぶりの皇族誕生に再び歓喜の声が上がった。
これまで後嗣は男児のみ。そこに生まれてきた皇子。彼が後嗣になればいい、そう思った者も多かったが一つ問題があった。
彼は秘玉を持って生まれてこなかったのである。
秘玉がなければ後嗣にはなれない。
周囲はこれまで以上に騒ぎ立てた。秘玉を持った皇女をたてるか、それとも例に習った皇子をたてるか。
その結論は、先日行われた皇王の在位10周年記念式典ではっきりと出たが、出るまでが問題だった。
「リュカが生まれたことで派閥が生まれた、皇子派か、皇女派か。古参の貴族たちは皇子派にほとんどまわってしまった」
ますます皇女に関心がもたれなくなった。
でも皇女にとって一番ショックだったのはそんなことじゃない。弟のせいで、自分の味方だと思っていた親を取られたと思った事実。
そして次第に皇女は自分の身を自分で守る術を身につけていった。
身も心も、誰にも負けないように強く、強く。気がついたら、女というよりも男の子のような生活をしていたのはそんな流れからだ。
そんな皇女に変化が訪れた。
「リュカが生まれたことによって、また変化が生じたのよ」
皇子が誕生したのは、11歳の時。周囲も十年ぶりの皇族誕生に再び歓喜の声が上がった。
これまで後嗣は男児のみ。そこに生まれてきた皇子。彼が後嗣になればいい、そう思った者も多かったが一つ問題があった。
彼は秘玉を持って生まれてこなかったのである。
秘玉がなければ後嗣にはなれない。
周囲はこれまで以上に騒ぎ立てた。秘玉を持った皇女をたてるか、それとも例に習った皇子をたてるか。
その結論は、先日行われた皇王の在位10周年記念式典ではっきりと出たが、出るまでが問題だった。
「リュカが生まれたことで派閥が生まれた、皇子派か、皇女派か。古参の貴族たちは皇子派にほとんどまわってしまった」
ますます皇女に関心がもたれなくなった。
でも皇女にとって一番ショックだったのはそんなことじゃない。弟のせいで、自分の味方だと思っていた親を取られたと思った事実。


