一瞬、時が止まった。皇妃の表情が強張った。かと思えば、落ちつた調子で聞き返してきた。
「それは、わたしたち家族の問題で貴方には関係ないと思うけど、どうして知りたいの」
言われてみれば、その通りである。
イリヤにしてもそれを知りたいと思ったのは、単なる好奇心。でも、時が経つにつれ、ますます知りたくなる。
彼女の全てを。抱えているモノを。お互い、共有したいそんな気持ちになる。
自分にもそんな気持ちがあったのかと思うと大変不思議だが、別にそれはおかしい事ではなかった。
今まで、人としての感情がないように思ってきた。辛いとか、哀しいとか、嬉しいとか、楽しいとか。
でもそれはそこまでの環境がなかったのではないかと思う。
イリヤにだって、人間っぽい感情はちゃんと存在している。だから、知りたいと思うのだ。
そのことを伝えると、皇妃は呆れたような顔をしていた。
生きている限り、感情をもつことを当たり前のこと。気になってもそれは仕方のないことだと。
一息付いて、彼女はゆっくりと語り始めた。
「壁を感じているというよりも、家族としての接し方が分かっていないのよ。……これは、あの子が生まれた時から背負ってきた運命」
「それは、わたしたち家族の問題で貴方には関係ないと思うけど、どうして知りたいの」
言われてみれば、その通りである。
イリヤにしてもそれを知りたいと思ったのは、単なる好奇心。でも、時が経つにつれ、ますます知りたくなる。
彼女の全てを。抱えているモノを。お互い、共有したいそんな気持ちになる。
自分にもそんな気持ちがあったのかと思うと大変不思議だが、別にそれはおかしい事ではなかった。
今まで、人としての感情がないように思ってきた。辛いとか、哀しいとか、嬉しいとか、楽しいとか。
でもそれはそこまでの環境がなかったのではないかと思う。
イリヤにだって、人間っぽい感情はちゃんと存在している。だから、知りたいと思うのだ。
そのことを伝えると、皇妃は呆れたような顔をしていた。
生きている限り、感情をもつことを当たり前のこと。気になってもそれは仕方のないことだと。
一息付いて、彼女はゆっくりと語り始めた。
「壁を感じているというよりも、家族としての接し方が分かっていないのよ。……これは、あの子が生まれた時から背負ってきた運命」


