【長】黎明に輝く女王

(でも、今の僕なら……。この世界で生き抜いてく覚悟をもたないといけないか)

 今まで、流される水のように、ただ生きているだけだった。それはこのシロラーナに来てからも変わらない。
 でも、セリナのいるこの世界なら、必死に、我武者羅に生きてみてもいいのかもしれない。


 答えが導かれると、心はとても軽くなる。素直に、ただ感情のままに。人間くさく、辛い思いをしながらも生き抜いてみたいと思う。



「殿下、陛下のところに行こう。そこでお互いに分かっている今の状況を伝えてから考えよう」
「う、うん!」

 思いついたら即行動。イリヤとリュカは共に、足を皇王のもとへ進めた。

「あ、ヴェイニはもう帰ってもいいよ、時間もすぎてふりまわしてわるかったね!」
「……はい」

 殿下が自分に向かって謝っている、ヴェイニはその事実にも驚き、その場で呆然としていた。


 目に見える変化は小さいかもしれないが、何かしら動き始めているということ。それだけは感じ取ることが出来た。