飴色蝶 *Ⅱ*

来ないかもしれない人を

私は、この部屋で待ち続けた。
 
庵の事よりも、自分の気持ちを
優先してしまっている事に

私は気づいていたけれど
この想いはどうしようもなくて

どんなに危険でも

貴方に逢いたいと願ってしまう

貴方を近くに感じていたい。

涙で腫れた瞳で、鏡に映る
自分の姿を見つめていた。

ほんの少しの辛抱もできない私
 
時間はゆっくりと過ぎて行く。

イオリ、お願い・・・

一台の車が停まり、助手席の
ドアが開くと

その場に、庵が降り立った。

そして、運転席に座る
透馬を見つめた。

「トウマ
 今日は済まなかったな
 
 話の続きは明日」