飴色蝶 *Ⅱ*

気になった要は、バックミラー
から菫を見つめると、彼女の頬
を涙が流れていく。

「どうして、そんな事言うの?
 そんなの嫌だよ・・・
 私の事なんてどうでもいいよ
 もう、一秒だって貴方と
 離れていたくない
 イオリ、お願い
 逢えないなんて言わないで
 私の元に帰って来て
 いつまでも、待ってるから」

電話を切った菫はヒックヒック
と喉を鳴らして涙を流す。

驚いた要は、優しく
菫に声をかけた。

「どうかしましたか?」

「・・・・・・」

私は、また

貴方を傷つけてしまう。

そして、私は、私を嫌いになる